6/12『中学生円山』宮藤官九郎×奈良美智アフタートーク

中学生円山』の宮藤官九郎さん×奈良美智さんのアフタートーク回に行ってきました。司会の方(ライターの上田智子さん)は一応いたけれど、基本、宮藤さんが奈良さんに質問するというカタチで進められました。「その方がウソ臭くないから」とは宮藤さんの弁。ちなみに宮藤さんと奈良さんは、今夜が初対面だったそう。

ここから先は、たぶん映画のネタばれも含みますので、要注意。

中学生円山』で、奈良さんが気にいってるシーンは、克也(平岡拓真)とゆず香(刈谷友衣子)が二段ベッドに並んで寝るけど、結局なにもできなかったところ。「中学生ってできないんだよね、高校生になるとできるけど」と奈良さん。実際、中学の時、校則が頭をよぎって、奈良さんもできなかったそう。

この奈良さんお気に入りのベッドのシーン。隣の部屋にお母さんがいること、ベッド上の時計が“4時32分”だったこと(お父さんが帰ってくるリミットがある)ってことに、ふたりで興奮するよねーと一致してました。時計の時間は宮藤さんの指示ではなく、助監督さんのこだわりだったそう。

ちなみに奈良さん、中学時代はモテなくて。モテ期は、高校時代だとか。宮藤さんは、いまだそう。

中学生円山』では、克也が「あるエッチな目標」を達成するべく体を柔らかくしようとしているんだけど、奈良さんも体験あるそう。実現はできなかったそうだけど。すごく恥ずかしそうに告白してた。銀杏の峯田君が出来たって言ってるのを、奈良さんも宮藤さんも「ウソだろ!」と否定してました。

宮藤さんの「中学時代にいちばん聴いた音楽はなんですか?」という質問に、奈良さんはニール・ヤングと即答していた。リアルタイムでアルバムを追いかけていたと。高校生の時に、東京までライブ見に来る位、はまっていたそう。

奈良さんは、中学まではシングルしか買ったことなくて。中学になって初めてアルバムを買ったのが、CCR。で、ニール・ヤングの『ハーベスト』や、メイクしてた頃のデビット・ボウイとか、リアルタイムだったそう。宮藤さんはニール・ヤングは知ってるけど、いまさら自分が聴けない存在だと言ってた。

中学生円山』で井上のおじいを演じているエンケンさんこと遠藤賢司さんも、奈良さんはリアルタイムで好きで。だからエンケンさんがバンドに乱入して「ド素人はスッコンデロォ」を歌うところと土手のシーンが好きだと言ってた。スクリーンで見られてうれしいとも。それを聞いて宮藤さんが安心してた。

奈良さんは、今夜の『中学生円山』のアフタートークに出るために、新宿ロフトでやってたエンケンさんのワンマンをあきらめたそうで。実は宮藤さんがそのライブを見てから来たことを知って、すごく残念そうだった。

奈良さん(青森)と宮藤さん(宮城)は同じ東北人ってことで、東北人ならではの面倒くささについても語ってた。やたらネガティブなことを言うとか。誉めるんじゃなくて、悪かったところだけ言うとか。お祝いのお金を延々、押しつけ合う感じとか。東北あるあるになってたなあ、あのトーク部分は。

映画のテーマが“妄想”であることにかけて、宮藤さんが奈良さんに「絵を描く時に妄想しますか?」と聞いたら、奈良さんは「全部、妄想です」と答えてた。妄想から始まり、いろんな枝を刈り取っていき、最終形に持っていくんだそう。そして、それが自分が思ってもなかった方向になった時の方がよいと。

その話に呼応して、宮藤さんも自分も思いもよらないことになった時の方がよいと言っていた。『中学生円山』で言うと、克也の自主練が最終的に戦いに生きるんだけど、それは最初から決めていた訳ではなく、書き進めていたら思いついたそう。

最後の挨拶で宮藤さん、「次の監督作はもうちょっと人に薦めやすい作品にします」と言っていた。確かに『中学生円山』、説明しづらいし、薦めにくい。とくに女子には。でも、そこが肝でもあるんだよなあ。

なお、この宮藤官九郎さんと奈良美智さんの『中学生円山トークショーの全文は、近日、EYESCREAM.JPにて公開予定だそうです。