あいちトリエンナーレ 長者町エリア

2夜に渡ってライブ見るために、ひさびさに名古屋へ行きました。名古屋へ行くの、たぶん十数年ぶり位だ。わらっちゃう程、土地勘ないぜ。でも、すごく楽しかった。

ちょうど「あいちトリエンナーレ」をやっていたので、長者町エリアだけひやかしました。美術館でギュッとアートを見るよりも、街をぶらぶらしながらアートを見たい気分だったので。

この辺りは、古くから栄えた繊維街(日本三大繊維問屋街だそうな)で、たくさんの問屋さんが並んでました。その店先や、建物の外壁、駐車場、空き店舗、倉庫など、ふだんはなんでもない場所に作品がポッと現れる感じがおもしろかった。地図を片手にアートを探すのも、また楽しかった。

私が見た日は、ちょうど町の1年に1度のお祭と、トリエンナーレが重なって、なかなかの人出でした。パワーあったな。

せっかく見たので、自分が気になった作品を挙げときます。

増山士郎さんの「毛を刈った羊のために、その羊の羊毛でセーターを編む」。タイトルそのまんまなんですが、一頭の羊の毛を刈って、それを毛糸にしてセーターを編んで、毛を刈られた羊にそのセーターを着せるという作品。毛を刈られる前、毛を刈られた後、セーターを着せられた後という3枚の羊の組写真と、そのドキュメンタリー映像から成る作品。淡々としたユーモアがあって好みでした。ほのぼの。ま、羊にとっては災難かもしれないのだが。展示は、ビルの廊下でした。

ウイット・ピムカンチャナポンさん(タイ)の「隙間」。狭い駐車場で、ふと隣のビルを見ると、かっちょいいペインティングが。あと駐車場の上を飛んでる機械的なものがあるのですが、夜になると光って作品の印象が変わるのもおもしろかった。

丹羽良徳さんの「自分の所有物を街で購入する」。これは映像作品。自分が持ってるものをお店に持っていって買うという、ただそれだけなんですが、なんだかおもろかった。また展示してる場が、シモジマさんって1棟まるごと合羽橋的なお店の店先で。そのシチュエーション込みで、よりおもしろかった。

地下鉄の伏見駅の地下街が、塗り替えられてアート化してた。タッチは私の好みではなかったけど、ああやって場を変えてしまうのはアートの醍醐味かなと。

あと伏見の地下街では、建築家の方たちが、紙コップを積んで造形するという参加型の試みをしていて。ただのふつうの紙コップでも、アートできるという提示が好み。また参加してるこどもも大人も、みんな楽しそうなのもよかった。

たくさん作品があったアートラボあいちでは、木でミニチュア的なオブジェをたくさん作って展示してた学生さんの作品が好みでした。名前をひかえてなくて申し訳ないけど。

あと喫茶クラウンって、味わいのある純喫茶に絵が展示してあるのもよかった。絵がなくても行きたくなるようなお店でした。

そういえば、その昔、東京でも、青山や表参道の町中にアートを展示するっと催しがあって。宝探しみたいで、すごく楽しかったんだけど、あの時の気持ちを思い出しました。東京でも、こういうアートのお祭りしてくれたらいいのにな。

あと私、ただ絵が1枚、バーンあるみたいなアートより、インスタレーション的なものが好きなんだなあと改めて思いました。だから平面作品でも、ちゃんと場の空気感を作ってるのが好きなんだな。