面白いドラマをありがとうアワード2013

今年も亜姫篤さん(id:einfall/@gameura)の企画に参加させていただきます。企画ありがとうございます。
http://d.hatena.ne.jp/einfall/20131219/1387454381

【1】2013年にTV(キー局・U局・BS・CS)でオンエアされた、日本の新作ドラマで面白かったものを3つあげてください。できればその理由も教えてください。

あまちゃん
幸せだった、幸せだった、幸せだった。ドラマでこの多幸感はそうそう味わえるものじゃない。人生でいちばん真剣に見た朝ドラでした。なるだけ毎日、リアルタイムで見てた。そのために早起きしたり、昼の時間に都合あわせたり、努力した。自分でもどうかと思う位、夢中だった。そして本当に楽しかった。ストーリーはもちろんだけど、人物の造形がすばらしくて。出てくるみんながいとおしくて、たまらなかった。誰もがなにか欠けた部分を持ちつつ、日々を生きていく、たくましさよ。あと田舎のよさを描きつつ、田舎ならではの毒もちゃんと描いているのが好みでした。脚本、役者さん、演出、スタッフ、大友良英さんの音楽…なにもかもがピタッてはまった、奇跡的な1本だったんじゃないかと思います。

最高の離婚
これは毎話リピしまくりました。ものすごく大好き。パンチライン続出のセリフたち(身につまされる!)。人の気持ちの機微。4人のあやういバランスの関係性。なにもかもが好みでした。離婚という重いテーマを扱いつつ、基本、笑えたのもよかった。坂元さんの筆の冴え。あとエンディングのダンス、しゃれてたなあ。そして、一見、面倒くさい人なんだけど、瑛太君演じる光生にいちばん感情移入してたかなあ。とくにオノマチさんが光生が大切にしてる棚をめちゃくちゃにするシーンで、同じヲタ属性の人間としてぴぎゃあ!ってなりました。あ、ロケ場所が中目黒近辺で、割合、近いということもありまして、つい軽くロケ地巡りまでしてしまいました(笑)。ははは。ミーハー。
http://d.hatena.ne.jp/wacca/mobile?date=20130313

まほろ駅前番外地』
バディもの好きには、たまらない作品でした。多田と行天の絶妙な距離感、温度差。原作のファンなので、多田と行天はもう少し大人なイメージだったのけれど、映画版で瑛太さんと龍平さんのコンビを見た時、ああ、このふたりなら、ありだなあと思ってたら、まさかのドラマ化(さらに映画第2弾まで)。しかも演出は大好きな深夜ドラマ番長、大根仁さん。テレ東の深夜ドラマらしく、自由度の高い表現。そしてオフビート感。ツボをついたレギュラー陣とゲスト陣。いちばん好きなエピは、刈谷友衣子ちゃん演じる女子高生を匿う回かな。事件が解決した朝方、1本の煙草を吸い合う多田と行天がたまらなかった。あと坂本慎太郎さんの劇伴とエンディング曲「まとめがわからない」がすばらしかったなあ。

【2】2013年にTVでオンエアされた、日本のドラマを書いた脚本家で、1人挙げるならばどなたでしょうか? できればその理由も添えて挙げてください。

宮藤官九郎さん
本当に『あまちゃん』をありがとうございました。笑って、笑って、泣かされて、ハラハラして、キュンとして、毎日、毎日、忙しかったです。きっちり描かれた本筋、そこにはさみこまれるコネタ、ここで回収するかあって伏線、どれも本当に見事でした。あと場所柄、震災を描くのは必然だったのですが、ああいう描かれ方で心底、ホッとしました。そして、IWGP、『木更津キャッツアイ』の頃からの宮藤さん好きですが、まさか宮藤さんの朝ドラを見られる日が来るとは。なんて、うれしい時代なんだ。そして朝ドラの15分×週6回というフォーマットは、すごく宮藤さんの脚本のリズム感にあってんじゃないかなあと思いました。また、いつか宮藤さんの朝ドラが見られたらいいなあ。いっそ大河でもいい。

次点は『最高の離婚』と『Woman』の坂元裕二さん。1年で、こんなに振り幅のある作品、残してすごい。

【3】2013年にTVでオンエアされたドラマに出演した役者さんで、素晴らしかったと思う人を挙げてください。ここは人数問いません!

窪田正孝
世の中に発見されつつあると思う。認知度がググッと上がってきた年だったんじゃないでしょうか。『最高の離婚』の好青年・淳之介や、『SUMMER NUDE』の戸田さんに片想いし続けてる光。どちらも印象的な役を、脚本を越えて、自分で引き寄せていたと思う。『最高の離婚』の目黒川端でプロポーズするシーンは、去年いちばんリピったシーンかも。「ガキ!」「ババア!」と言い合った後、バイクを押して去っていく、こっそり泣いていそうな後姿。たまらん。あと良作『刑事のまなざし』でラストエピのメインゲストを務めてて、ステップアップ感をひしひしと感じました。今年は朝ドラ『花子とアン』もあるし(主人公の幼なじみ役)、ますますの活躍を期待。

長谷川博己
『八重の桜』の尚之助さまが、ほんとにすばらしかったですねえ。八重と同志って感じの夫婦関係がステキでした。すっとした佇まいもよかった。あんなダンナさんが欲しいよー(ジタバタ)。そして『雲の階段』で、どんどん道を踏み外していく青年がすばらしかった。あの虚無感。ほんとにからっぽな人に見えた。あと、このドラマでは私が好きな長谷川さんの手が存分に楽しめて、それも眼福でした。色気だだもれだったな。

瑛太
最高の離婚』の光生がすばらし過ぎた。偏屈で、人とうまく距離感とれなくて、間が悪いのに、どこかチャーミング。瑛太さんが演じたからこそだと思う。かっこ悪い人物を、ちゃんとかっこ悪く演じてて、よかったなあ。そして、まほろの多田も魅力的だった。ことわれず面倒に巻き込まれがちな便利屋。あんな便利屋が近くにいたら、私も頼んでみたい。

松田龍平
映画とか見て、いい役者さんだとは思ってたけど、彼に萌えを感じたことはなかった。んが!ミズタクで、初めてうっすらと萌えを感じました。なんでだろうなあ。社会人として、人としてちょっと残念な感じも、またよかった。そしてアキがオーディション通って、感極まってハグするシーンったら。キュン。そして、まほろの行天もよかったなあ。ひょうひょうとしてるようで、スルッと人の懐に入る感じとか、彼じゃないと出せないと思った。

オダギリジョー
『八重の桜』の新島襄は、人を許し、包み込み、まるで天使のようでした。苦しい時代を乗り越えた八重さんが、あんなジョーに巡り会えて、本当によかった。杖で自分の手を殴打するシーンで、本当に叩き過ぎて手を痛めちゃったとか、演技にかけるオダギリさんの本気さよ。あと基本、白シャツなのが眼福でした。

長瀬智也
純粋無垢な『泣くな、はらちゃん』と、ダークサイドな『クロコーチ』って、こんなにかけ離れた役を演じ切れちゃうなんて、改めて役者・長瀬智也に感服しました。コンスタントにドラマに出て欲しい役者さんのひとり。

綾野剛
『八重の桜』『最高の離婚』『空飛ぶ広報室』と、3者3様の演技がよかった。

あまちゃん』に出てた人全員
あまりに全員いとおし過ぎて、羅列になりそうだったので、もう全員を挙げときます!カウントしなくてよいです。


蛇足。最後に2013に楽しんだドラマについてメモ書きしときます。順不同。なんか抜けあるかもですが許して。しかし我ながら見過ぎ!

『八重の桜』
負けた側の歴史を、しかも世間的に有名ではない女性の目を通して描くって、ほんと挑戦だったと思います。キャスト、本当にみんな、はまり役でした。拍手。欲を言えば、襄亡き後の八重さんをもっと丁寧に描いてよかったかなと。あと月代わりのオープニングが楽しみでした。いちばん好きなのは、ピンクの結晶が出来てく奴。

『リーガルハイ』
続編って失速しがちだけど、無用な心配でした。古美門と薫は、ほんとナイス凸凹コンビ。そして露悪的な古美門が真実を突くのは、やはりカタルシスあるなあ。

泣くな、はらちゃん
おとぎ話のようでいて、人間の本当が織り込まれてて、すばらしかった。

『Woman』
泣いた、震えた。坂元さんはなんでこんなに、人の気持ちの奥深くを描けるんだろう。またそれを体現する役者さんの素晴らしさよ。田中裕子さんとか白眉。あ、高橋一生君の担当医が超好みでした。

『雲の階段』
「夜の昼ドラ」って感じで、目が離せませんでした。長谷川博己さんの堕ちてゆく虚無な男がすばらしかった。

クロコーチ
ダークな長瀬君って、ほんと魅力的っすよね。あと剛力さんがとてもよくて。役者さんって、使われ方次第なんだなあと思った。

『ノーコン・キッド』
懐ゲー満載で楽しかった。役者さんが15歳から45歳まで自分で演じてたのも、おもしろいトライでした。田中圭君が主演なのもうれしかった。

『刑事のまなざし』
手堅い作品でした。TBS月8は、いまや良作枠だなあ。

『変身インタビュアーの憂鬱』
三木聡さん節、炸裂。濃ゆいキャラ続出で、ついつい完走。

名もなき毒
小泉孝太郎さんの品のよさをうまく生かしていたと思う。そして原田を演じた江口のり子さんの怪演、忘れがたい。

『天魔さんがゆく』
福田雄一さんと堂本剛さんの相性のよさよ。またいつかタッグ組んで欲しい。

半沢直樹
顔芸。濃いキャラたち。力技で押し切られたなあ。ラブりんこと愛之助さんが、まさかお姉キャラでブレイクするとは。

『確証〜警視庁捜査3課』
これまた手堅い作品。高橋克実さんと榮倉奈々のコンビもよかった。続編あったらいいなあ。

『放課後グルーヴ』
ダンスをモチーフにした青春もの。青春の苦さも、かっこ悪さも、キラキラも詰まってて、すごくよかった。あと仲間のすばらしさね。生徒たちはほとんど知らない子たちだったんだけど、どんどん愛着が沸いてきました。『荒川アンダー ザ ブリッジ』のノリがどうも苦手だったんですけど、これで脚本・演出の飯塚健さんの株アップ。

『終電ごはん』
岩井秀人さんの脚本のおかしみと、オードリー若林×坂井若菜ちゃん×佐藤仁美さんのトリオがベストマッチ。夜中にお腹がすく作品でした。

『終電バイバイ』
終電を逃しちゃった男のお話。毎回、濱田岳君が違う人物を演じてた。ハイバイの岩井秀人さん脚本回が好みでした。

ラストホープ
意外なひろいもので楽しかったです。

『裁判長っ!おなか空きました!』
キスマイ北山君が、こんな福田雄一さんワールドにはまると思いませんでした。おもろ。

『相棒』
安定感。

『天国の恋』
中島御大の狂った濃ゆい世界、健在。

『ドクターX 〜外科医 大門未知子〜』
気楽に楽しめる作品。続編だけど、変な色気を出さずに前作を踏襲してよかった。

信長のシェフ
ミッチーのモフ長っぷりにやられました。楽しかった。

『お天気お姉さん』
大石静さん脚本。お天気から事件を解決するってのが新鮮でした。

『独身貴族』
とにかく平岩紙ちゃんの玲子さんにつきます。

『SUMMER NUDE』
本筋はもやもやしてた。夏ドラなのに曇ってる感じで惜しい…。けど窪田正孝君パートは捨てがたい。

スターマン・この星の恋
福士君、よかった。あんな男子なら私も拾ってみたい。

山田くんと7人の魔女
西内まりやちゃん、いいコメディエンヌだと思う。山本裕典君はこういう役、鉄板。まさか徳山秀典アニキの高校生役が見られるとは。

『dinner』
とにか料理バカな江口さんがよかった。

カラマーゾフの兄弟
なんとなく最後まで見てしまった。吉田鋼太郎さんのクソおやじっぷりがすばらしかった。


真夜中のパン屋さん
タッキーの包容力よ。こんなパン屋さん、近所に欲しい。

書店員ミチルの身の上話
高良君の竹井が気持ち悪くて、怖かった。

空飛ぶ広報室
制服姿の綾野剛君は正義。

『いねむり先生』
藤原竜也君と西田敏行さんの博打旅。人の暗部とやさしさを描いてて、よかった。

『ラジオ』
震災後の地域FMを舞台にした作品。単発ドラマでは、これがいちばん好きでした。デリケートなお話を丁寧につむいでた。主演の刈谷さん、瑞々しかった。音楽のチョイスも好みでした。スターリンとかルースターズとか。