面白いドラマをありがとうアワード2011

亜姫篤さん(id:einfall)の企画にのらせていただきます 亜姫さん、ありがとうございます。

2011年は、1月クールが、白目をむく位に低調で。うわあ思ってたら、その後、たくさんいい作品に出会えて、ドラマっ子としてはなかなか幸せな年だったんじゃないかと思います。

あと震災があって、私はかなり気持ちが立ち止まって、ぼんやりしてしまっていて。でもドラマを見るってことが、ちょっこし気持ちのリハビリになった部分があると思います。

前置きがちょっと長くなりましたが、回答はこんな感じです。回答、長いよw。

【1】2011年にTVでオンエアされたドラマで面白かったものを3つあげてください できればその理由も教えてください。

鈴木先生
長谷川博己さんの初主演ドラマ。これは、本当に意欲的な挑戦作だったと思います。初回から中学生と小学生のセックスとか。給食の酢豚問題で1本作っちゃうとか。できちゃった結婚した先生を裁判しちゃうとか。ふつうのドラマではドラマにしないようなことに、果敢にチャレンジ。それから原作をうまくアレンジして、ドラマとして立体化しいた、古沢良太さんと岩下悠子さんの脚本。あと1話、1話のエピを最後に回収する構成の巧みさもうなりました。「うわあ、ここでまた酢豚キター!」みたいなw。んで、主人公がアタマの中で、過剰に自問自答するの、おもろかったなあ。漫画のセリフと、心情を書いてる部分みたいに、うまい役割分担になっていた。そして生々しさと、芝居がかった部分をうまくミックスした演出のうまさ。あとライティングがすごく好きでした。明らかにふつうのドラマとは、トーンの違う映像作りに成功してたと思います。長谷川さん、ぐっさん、富田靖子さん、田畑智子さん、でんでんさんなど、先生方の顔ぶれもすごくよかった。とくに富田さんの足子先生は、すごかったなあ。女の怖さの権化みたいだった。あと、生徒役
の子たちがほんとすばらしい配役でした。かあべぇとか、竹地とか、小川蘇美とか、生徒の役名がまだ忘れられない。そしてメガネ男子の長谷川博己さんは、鉄板だと力説しときたいと思います。あと、これほんと視聴率が低くて(涙)。リアルでは、見てる知り合いがほぼいなくて。世間とドラマニアの温度差を、ものすごく感じた作品でもありました。

それでも、生きてゆく
これは、本当にずっーと色あせないだろう名作だと思います。坂元裕二さんの脚本、役者さんの演技を見せることに徹した演出、そしてすばらしい役者さんの演技。こういうドラマを、リアルタイムで体験できる喜びを感じながら見てました。とはいえ、不思議なおかしみはあるんだけど、作品自体は題材的にズシーンと重くて。見るの、覚悟いりました。毎回、ぼろ泣きしっぱなしで、歯をくいしばって見ていて、見た後の疲労感がすごかった。で、スタート前は、被害者家族と加害者家族がひかれあうなんてありえないだろうと思ってました。が、丁寧にエピを積み重ねてたから、瑛太君と満島さんがひかれ合うことに違和感はなかったなあ。最後、満島さんがそんな道を選ぶなんて〜!きーっ!って位、ふたりの恋の応援者になってました。あとツイッターには書いたのですが、私の母は被害者家族なんです。兄を強盗に殺されていて(しかも近所の人にテレビ欲しさなんて理由で)。なので初回は見ていて、もうヘビーで、ヘビーで。あの包丁を持った瑛太君みたいな気持ちを、母も抱いてたのかな…とか思ったら、いたたまれなくて。でも、2回目からは不思議とスーッと見
られるようになりました。それは、このドラマが表現として、ものすごく昇華されてたからだと思います。

ヘブンズ・フラワー〜The Legend of ARCANA』
上記、2本はもうすぐ決めたたのですが、もう1本はえんえん悩んでいて。でも、私以外は誰も挙げないだろうなあと思ったので、これにしました。不毛な冬クール、私がいちばんはまっていたのがこの作品でした。とにかく世界観の作り方がすばらしかった。舞台は、近未来。「ある実験事故によって、花が咲かない不毛の世界となり、深刻な食糧危機が続く日本。事故からの再建が進む中、第七地区だけは震源地として再建から取り残され、見捨てられた街となっていた…」という設定。とにかくロケ地の選び方がうまくて。限られてるであろう予算の中で、ちゃんと誰も見たことのない近未来を生み出していました。あと、ザクザク人が殺されてくのですが、そのドライなノアールさも、深夜ドラマならではのトライだったと思う。んで確かに若い役者さんの演技はつたない部分はある。が、私は未完成で不安定なもの好きなので、許容範囲。あ、でも荒木宏文君はかなり新境地だったし、脇を固めていた三田佳子さんや博太郎の底知れなさは忘れられない。『未満都市』や『スワロウテイル』がお好きな方なら、たぶん、ちょっこしひっかかるものがあると思います。ただ
あまりにも3.11と設定がリンクしたため、放送が中断されてしまったのは残念なことでした。その後、秋になってから無事に残りの3話もオンエアされてほっとしました。まあ、そんなことも含め、この作品について書きとめておきます。

ちなみに入れるか悩んだ作品は、『11人もいる!』(これが次点)、『妖怪人間べム』、『勇者ヨシヒコと魔法の城』、『QP』、『JIN-仁-』、『カーネーション』、『ラストマネー -愛の値段-』、『坂の上の雲』、『BOSS』、『仮面ライダーフォーゼ』、『ウレロ☆未確認少女』辺りですね。

【2】2011年にTVでオンエアされたドラマを書いた脚本家で 1人挙げるならばどなたでしょうか?できればその理由も添えて挙げてください

坂元裕二さん。『チェイス国税査察官〜』、『mother.』ときて、『それでも、生きてゆく』。なんだ、このツボな作品の連発。正直、前はそんな得意な脚本家さんではなかったんですよ。いつの間にか、他の方が描かないような深いところをえぐるようになって。とくに人の関係性や距離感を浮かびあがらせるのが見事で。でも反面、人生観が変わるようなこと、なんかあったのかしら、と、ひそかに心配しておりますw。

次点で悩んだのは、『カーネーション』の渡辺あやさんと、『11人もいる!』の宮藤官九郎さんです。ほんと悩ましかったなあ。

【3】2011年にTVでオンエアされたドラマに出演した役者さんで 素晴らしかったと思う人を挙げてください ここは人数問いません!

長谷川博己さん
今年出た『鈴木先生』『家政婦のミタ』、2本とも良作なんて、セカバに続き、強運だなあと。まあ、実力あってこそですけど。んで私は弱ってる時の長谷川さんの色気に、なんか弱いのですよー。舞台での長谷川さんが、本当に好きなので認知度上がったの、素直にうれしいです。あ、でも、たまにはまた舞台に出てください!

鈴木先生』に出ていた生徒たち
独特のリアリティがありました。ほんと全員が全員すばらしかった。あんな阿鼻叫喚な教室を演じきれる子たちはあまりいないと思います。

亀梨和也さん
美しく、哀しく、儚い、けど強いべムでした。『妖怪人間べム』では、何度、亀梨べムに泣かされたことか。あとアクションがさすがなキレでした。最初、亀梨君でべム?と思ったけど、亀梨君だからこそのべムだった。さすが、河野P、慧眼。そして、亀梨君、次回作が楽しみな俳優さんです。

杏さん
べラ、大好き!以上。

カーネーション』に出てる人全員(いまのところ)
主役の尾野真千子さんもすばらしいのですが、すみずみまでゆき届いた配役。そして演技のアンサンブルがすばらしい。

田中圭さん
今年もたくさん出てましたが、やはり『おひさま』の春兄さんにつきますかねえ。あのドラマ自体はそんな好きじゃないですが、父×春兄さん×弟パートはほんと好きでした。スピンオフ希望w。あと『BOSS』のゲストもよかったな。次回作『デカ黒田鈴木』はひさびさコメディなんで期待してます。

佐々木蔵之介さん
『ハンチョウ』が長寿シリーズになるのはいいけど、演じる役が一面的になるのはやだなあ…と思ってたら、『僕とスターの99日』での大物俳優・高鍋役。すげえ変なキャラだった(笑)。楽しそうに演じてましたよねえ。あと、そろそろ、またブラックな蔵之介さんも見たいです。

田中哲司さん
連ドラもゲストも出まくっていて。その仕事人っぷりがツボでした。役としては、『ラストマネー』かなあ。私、弱ってる哲司さんに弱いんですよねえ。つか、弱ってる男子に弱いのかw。

風間俊介さん
それでも、生きてゆく』で、風間君が演じたあの役の、空洞さ。ディスコミュニケーションな感じ。本当にものすごかった。怪物。あんな人が身近にいたら…と怖かった。金八5、演技者。、『アキハバラ@DEEP』と好きな出演作はあるものの、このところ風間君をうまく生かしたドラマがなかったのでうれしい配役でした。思いついてくれた人、ありがとう。

瑛太さん&満島ひかりさん
それでも、生きてゆく』のあの独特の空気感は、ふたりの会話のによるところが大きかったと思います。重く、辛い話だったけど、ふたりでいると生まれるファニーさに救われてたなあ。あと満島さんは『ウルトラマンマックス』のエリー以来、見守り対象なので、こういう役に出会えてよかったなあと。

大竹しのぶさん
うまいなあとは思うのですが、なんとなく鼻についてちょっこし苦手だったのですが、『それでも、生きてゆく』でのしのぶさんにはノックアウトされまくりでした。やっぱりすげえなあ、好き嫌いは別として。

高島礼子さん
好きでも嫌いでもなく。正直いままでなんとも思ってませんでした。でも『ラストマネー』での高島さんは、とにかくすんばらしかった!保険金殺人の疑いのある女の役だったんですが。男の人が心を許しちゃうような魅力と隙があって、かつ怖い。雨の中を、高島さんが歌いながら歩くシーンは、ホラーかと。

桐谷健太さん
チビTもしくはポストイットにときめく日がまさか来るとは!映画『クローズ』でもヒロインポジで。もともとオトコマエさんではありますが、守備範囲外だったのです。が、深キョンドラマの陣内は、すげえツボりました。陣内目当てで見てたと言っても過言ではない。

松田翔太さん
ドン★キホーテ』、新境地だったと思います。こんな、おもろい役者さんだったとは。あと、ほんのちょっと父上が演じていた工藤ちゃんを彷彿させられました。

誰かを忘れてる気もするけど、とりあえずこんなとこで。