面白いドラマをありがとうアワード2012

亜姫篤さん(id:einfall/@gameura)の企画に、今年も参加させていただきます。亜姫篤さんありがとうございます。
http://d.hatena.ne.jp/einfall/20121203/1354521027


【1】2012年にTV(キー局・U局・BS・CS)でオンエアされた、日本の新作ドラマで面白かったものを3つあげてください。できればその理由も教えてください。

カーネーション』(後半)
昨年のこの企画で挙げてなかったのと、後半に綾野剛君演じる周防龍一が登場したので。周防さんが出てたのは、実質2週間位だったのかな。この間、ほんと周防さんにメロメロだった私。なんだったんでしょうね、あの周防さんの引力。物腰のやわらかさと、方言男子のコンボにやられた。んでドラマ本体も、15分なのに、体感時間は1時間位に感じる濃密さでした。ながら見できないし、時計代わりにもできない朝ドラでした。あと主人公・糸子が強すぎるせいで引き起こる、陰の部分もきっちり描いてるのも好みでした。そして初連ドラなのに、「連ドラならでは」が詰まった脚本を書いた渡辺あやさん、すばらしかったです。

平清盛
ひさびさにはまって見た、大河ドラマでした。ここまで欠かさず見なきゃって感じで夢中になった大河は、『新選組!』以来かも。まずは藤本有紀さんの脚本が、すばらしかった。1年間かけて描くことが出来る「大河だからこそ」がいっぱいで。あの伏線、いま、ここで回収するのかあ!みたいな鳥肌が立つ瞬間が、ほんとたくさんありました。1年間という長いタームの大河だからこそ成り立つ手法。ずっと見てる人へのごほうびな感じ。だから見てて、ほんと楽しかった。あと因果は巡るというか、歴史は繰り返すというか、そういう部分もうまかった。例えば、なさぬ仲の母と清盛→重盛とか、ふと気づくと清盛自身が白河院並みのもののけだったりとか。そして役者さんも、中心の松ケン先輩をはじめ、すみからすみまでステキだった。役柄と役者さんのマッチング、すばらしかった。あと、よく知られてない平安時代の風俗や衣装やしつらえなどを、あそこまで再現したスタッフ力にも感服。まさに歴史絵巻な感じ。こういう手間をかけた作品はNHKにしか作れないだろうし、作り続けて欲しいなあと思います。

リーガル・ハイ
古沢さんのすばらしい脚本と、堺さんの怪演と、新垣さんの朝ドラ的なまっすぐさと、スタッフのノリノリさと、いろんなことが相まって、本当に楽しい作品でした。手アカがついてるはずの弁護士ものでも、まだまだ見せ方の可能性はたくさんあるのだと提示してもらいました。あとエンタメしつつ、ちゃんと現代的な問題点を盛り込んでくる手腕もすばらしかった(例えば、環境破壊の回は、福島の問題を思い起こさせました)。1話完結なのですが、ゲストのチョイスもすばらしかった。あと『犬神家の一族』パロ回の予告編、すばらしかったですね!楽しかった!今年いちばん、つかまれた予告編かもしれない(笑)。

あと楽しんだのは、『大奥〜誕生〜[有功・家光篇]』、『リッチマン、プアウーマン』、『ストロベリーナイト』、『勇者ヨシヒコと悪霊の鍵』、『ウレロ☆未完成少女』、『トッカン‐特別国税徴収官‐』、『鍵のかかった部屋』、『高校入試』、『負けて、勝つ〜戦後を創った男 吉田茂〜』、『クローバー』、『ドクターX〜外科医 大門未知子〜』、『ゴーイング マイ ホーム』、『遅咲きのひまわり』、『相棒』辺り(順不同)。はあ、我ながら、見事にばっらばらですな。そして見過ぎ。ここに挙げてないのも、たくさん見てますし(笑)。

あとウチは昼ドラ禁止なのですが(見るとキリないので・笑)、『赤い糸の女』、『ぼくの夏休み』はついつい見てしまう、謎なパワーがありました。『赤い糸の女』はとにかくネタ度が高く(さすが中島丈博さん脚本)、『ぼくの夏休み』は波瀾万丈で(ラストはいまも納得いかないけど)。

【2】2012年にTVでオンエアされた、日本のドラマを書いた脚本家で 1人挙げるならばどなたでしょうか?できればその理由も添えて挙げてください。

古沢良太さん
リーガル・ハイ』が圧倒的におもろかったので。たたみかけるような会話といい、単なる法廷劇ではなく手を変え品を変えの見せ方といい、本当にお見事でした。脚本家の筆がのってるって、こういう作品のことなんだろうなあ。

悩んだのは、『カーネーション』の渡辺あやさん、『平清盛』の藤本有紀さんのおふたり。

あと勝手に新人賞は、『高校入試』の湊かなえさんに差上げたい。見事にやられました。2日間をワンクールで描いていて。体感時間は濃密なのに、ドラマ内の時間は経ってないという不思議な体験。

【3】2012年にTVでオンエアされたドラマに出演した役者さんで 素晴らしかったと思う人を挙げてください。ここは人数も海外も問いません!

窪田正孝
平清盛』の悩める重盛、『大奥』のアホかわいい捨蔵。若くして、どちらも演じられる、幅の広さにニヤニヤ。さらに今年は『リーガル・ハイ』、『走馬灯株式会社』、『パーフェクト・ブルー』、『私立バカレア高校』にゲスト出演。単発では『青春アルゴリズム』。元々ファンなので、活躍の場が広がってうれしい限り。

綾野剛
カーネーション』の周防さんと、『クレアパトラな女たち』裕に、キュンキュンさせられましたー。元々、気になる役者さんだけど(ライダー出ですし)、今年、完璧に落ちました(告白)。周防さんの、長崎弁とやわらかさがステキだったし。裕はすごくセクシャリティ的に、とてもデリケートな役だったのですが見事でした。北乃きいちゃんポジがうらやましかったなあ。

堺雅人
リーガル・ハイ』の古美門は、拍手喝采ものだったし。『大奥』有功の包容力と、回を追うごとの変化の様は見事でした。

西島秀俊
『ストロベリー・ナイト』の菊田と姫川(竹内さん)、関係性萌えの私には、毎回たまりませんでしたー。映画版で姫川がひかれるのが、たかおさんつーのが納得いかない。そこは菊田でしょ!

松山ケンイチ
平清盛』のタイトルロールを演じ切った力量に拍手を。中2病かジャンプかみたいな10代の無頼の高平太から、権力欲だだ漏れの老年期まで。中の人が20代とは思えない振り幅でした。芯の彼がそうだったからこそ、『平清盛』はおもしろかったし、他の役者さんもノって演じ切れたんだと思います。

山本耕史
新選組!』の鬼の副長といい、この人の時代劇映えってなんでしょうかねえ。『平清盛』、『薄桜記』、全くタイプの違う役柄をきっちり演じられてて、ステキでした。とくに清盛での藤原頼長は、史実とはいえガチホモを演じ切ってて、うなりました。そして、そこまで踏み込んで描くNHKの本気にも震えた。ナイミツニナ!

松田翔太
ごっしーこと後白河院につきます。いつの間にか、セリフだけじゃなく表情で、複雑な思いを感じさせてくれる役者さんになってた。ごっしーと清盛のすごろく遊びは、見ていてたいそう楽しかった。

井浦新
平清盛』の崇徳院の、むくわれなさ、むなしさすばらしかったですねえ。そりゃ、怨霊にもなるわあみたいな。あと『リッチマン、プアウーマン』の朝比奈が、関係性萌えの人間としてはたまらんかったです。小栗君×石原さんより、むしろ小栗君×井浦さんに萌えたという。続編も楽しみ。

森田剛
元来、役者・森田君が好きなんですが、『平清盛』で平家の汚れ仕事をこなす平時忠はほんとはまり役だったと思います。これからも映像仕事、たくさんして欲しい。

瑛太
『ラッキーセブン』の出来自体は正直ごにょごにょごにょ…なんですが、瑛太さん演じる新田はとらえどころがなくて、ちょっと不気味で、おもしろいキャラ造形でした。あとアクションもすばらしかった。舞台出演のため、新田が劇中フェードアウトしたの、もったいなかったな。

麻生祐未
カーネーション』のかわいらしいお母ちゃんと、『大奥』の憎々しい春日局と。同じ役者さんが演じてるとは、ほんと思えない。役者さんって、すごい仕事だなあと。

多部未華子
ドラマ版『大奥』のせつなさを体現してたのは、多部ちゃん演じる家光だなあと。堺さん×多部ちゃんのシーンは、ほんとマジックかかってたなあ。そして反面、将軍・家光としてのりりしさもステキだった。

日村勇紀
『イロドリヒムラ』で、毎回、違う役を演じて、役者・日村さんを楽しませてもらいました。日村さんだけど、いつもの日村さんじゃない…みたいな。

賀来賢人
テレ東の深夜ドラマ『クローバー』(入江悠監督)での、あざやかな連ドラ初主演。身体能力の高さを生かしたアクションと、変顔つーかコメディセンスに感心しました。

碓井将大
日テレの深夜ドラマ『シュガーレス』での色悪的なキャラ・キリオと、D×TOWN『スパイ特区』での甘酸っぱい役がよかった。『チョコミミ』(2007〜2008)の時から見守ってきたので、こんな役も出来る年になったんだなあと感慨深かったです。