舞台『私のホストちゃん』

楽しかった、楽しかった、楽しかった。そして、ほんと盛りだくさんだった。

ドキュメンタリータッチだったTV版はくじけた私ですが、舞台版はきっちり世界観を作り上げてあって、安心して身をまかせるように楽しめました。作・演出は、拙者ムニエル村上大樹さん。

わらわらと10人以上ホストがいるのに、みんなキャラ立ちがよくて。知らない役者さんばっかりだったけど、ひとりひとりをちゃんと認識できた。その他大勢みたいな扱いのホストがいないのは、よかったなあ(あ、ラーメン屋はのぞく)。

主演の山本裕典君以外、出演者を知らずに行ったら、池谷のぶえさんが出てらして。思わぬラッキー。やはり、いい仕事なさる。そして池谷さん以外にも大人チーム(貴水博之さん、ダイアモンド☆ユカイさん、香寿たつきさん)は、柄に合った役どころばかりで、若手中心の舞台を引き締めてた。

隼人役の五十嵐麻朝さんの津軽弁がネイティブの私が聞いても違和感のないもので。うまい!と感心して、プロフィールをググったら、青森出身なのね。そりゃうまいはずね。そしてお話の要所、要所で方言がポイントになってたな。あとハングルさえも登場。字幕使いもうまかった。

おめあての山本裕典君は、新人ホストの霧都(キリト)役。まっすぐで正直って役柄が、山本君によく似合ってたなあ。彼が知らなかったホストの世界にどんどん足を踏みいれて行くのを、追体験して、見守るように楽しめた。ホストクラブ入門的な感じもあったな。

舞台『私のホストちゃん』チケットやグッズ買ったり、携帯サイトにアクセスしたりすると、“ラブ”ってポイントが貯められて。その“ラブ”をお気に入りのホストに貢ぐことが出来る。“ラブ”のポイント次第で、舞台がちょっと変わる。つまり観客でいつつ、ホストクラブのお客さんにバーチャルでなれる訳だ。

“ラブ”のポイントによる私が見た回のナンバー1は、影規役の松下優也君でした。発表後、見せ場があった。松下君は、これで3回目のナンバー1だそうで。ぶっといファンついてるのね。私が推した山本君の霧都は3位でした。主演だからって安心できないシステムなんだなあ、“ラブ”。

ひさびさに青山劇場の複雑な舞台の昇降システム(大好き)をうまく使ってる作品で、にまにましました。あれ、もっとみんな、活用したらいいのに。あと青山劇場、席の並びや列の段差も見やすくて、やっぱり好きだなあ。

霧都(山本君)が入店するCLUB Vanilla(歌舞伎町)が、ホストクラブなのに、あまりギラギラしてなくて。お客さまに合わせて、ほっこりしたおもてなしをするお店だっていうのが、見やすさにつながってた気がする。敵対する大阪ミナミからやってきたCLUB Vividとの違いもわかりやすかった。

上鶴君をひさびさに見たら、すごく大人になってたー。もうホスト演じたりするお年頃なのねえ、と親戚のおばちゃん的な気持ちがむくむくと。上鶴君とユカイさん、いいコンビだったな。

あまりに楽しかったので、ハイタッチお見送りにも参加してしまいました。てへ。私が見た回は、CLUB Vividチームでした。ホストの皆さん、まだ劇中の続きのようにノリノリだったなあ。んでハイタッチの最後に、オーナー役のユカイさんまでいて、びっくりした。