歌舞伎座新開場柿葺落 七月花形歌舞伎「通し狂言 加賀見山再岩藤」

建て替えられた歌舞伎座で、初観劇。内装や外装は前の歌舞伎座に近い感じだった。でもエレベーターやエスカレーターが出来て、便利になってた。地下に移ったお土産売場の混みっぷりにびっくり。

見たのはいつものように3階のB席(いちばんお安い)で。前と角度変わったのかな。建て替え前は、ほとんど見えなかった花道が、舞台際の方は見えるようになってた。

いちばん長い幕間の途中に、企業から贈られた緞帳を何枚か紹介して見せたんだけど、どれもすばらしく美しかった。

見たのは昼の部。演目は、通し狂言『加賀見山再岩藤(かがみやまごにちのいわふじ) 骨寄せの岩藤』(河竹黙阿弥作)。

加賀百万石のお家騒動を題材にした『鏡山旧錦絵』の後日譚で、怪談ものと世話ものが入り混じった、不思議な味わいの作品でした。場がすごく変わっていくので、見た目にも楽しかった。

今月は花形歌舞伎で、若手中心の座組み。ひいきの松緑さんが座頭で、岩藤の霊と又助という二役を。岩藤はおどろおどろしかったり、桜の中を宙乗りしたり、見せ場多し。又助は忠義が仇になるような役でせつなかった。すごくむくわれないキャラ。松緑さんは口跡がよいので、やっぱり見てて安心するなあ。

菊之助さんは、忠義者の中老・二代目尾上と、お家横領を企てる側室お柳という、対照的な二役を。菊之助さんは華があって、見ていて楽しい。愛之助さんが悪役の望月弾正をけれんたっぷりに演じてた。松也君が、又助の主人・花房求女を、手堅く演じてて頼もしかった。だんだん役が大きくなってくなあ。

中村松江さんのご長男の中村玉太郎君が、又助の盲目の弟・志賀市を演じてたんですが、そのけなげっぷりに泣けた。染五郎さんは、殿様の多賀大領と、家老の安田帯刀の二役。さすがの安定感。