10/29『唐版 滝の白糸』東京千秋楽

『唐版 滝の白糸』東京千秋楽を見ました。

この回で見るの3度目。役者さんに役柄がフィットして、より作品が深まってるように感じました。舞台って、成熟していくもんなんだなあと、改めて思いました。

そして、窪田正孝君のアリダはほんとチャーミングだった。アリダかわいいよ、アリダ。そして登場時は無垢な感じなのに、いろんな人にもまれる中、彼が変わっていく様が見事でした。そしてクライマックスで血しぶきを浴びる時の、なにかが炸裂した感じ。見事でした。

平幹二朗さんの銀メガネは、うさん臭いのにダンディで。つらつらと語る言葉が、とても唐さん的でした。平さんがどっしりいるから、舞台がしまって見えた。

大空祐飛さんは、大輪の花のようでした。物語の後半、赤いドレスに身を包んだ彼女が登場すると、舞台がパーッと華やぐ。キリリとした水芸の太夫姿も素敵でした。

マメ山田さん始め、ミゼット・プロレスの皆さんのシーンは見る度に胸がしめつけられた。小さな彼らが、自分たちの長い影について語る時のあの哀愁ったらない。

蜷川さんの演出は、唐さんの脚本とやっぱり相性がいいなあと思いました。アングラな匂いは残しつつ、もっと観客に開けた世界にしてくれる。そしてクライマックスの水芸、血しぶきの迫力。さすがでした。

それまで見たカーテンコール、窪田君はアリダって役から抜け出せないままだったように見えた。けど千秋楽の日は、素の窪田君だった気がする。蜷川さんに血のりをつけようとしたり、烏山さんから渡された羊水(ヤクルト)を客席に投げたり、客席に手を降ったり、なんだか余裕があった。

カーテンコールは、ほぼ満場のスタオベでした。3度目位に蜷川さんと唐さんが登場。レジェンドがふたり。そして立ち去る時に、窪田君、大空さん、平さんが手をつないでたりして。深々と頭を下げる窪田君とか。なんか盛り沢山で胸がいっぱいになるようなカーテンコールでした。ほんと、いい千秋楽でした。

追伸
窪田正孝君が、『唐版 滝の白糸』の東京千秋楽を終えて、ブログをアップしてくれてた。パンフの三池崇史監督の窪田君への言葉、胸アツだったけど、ふたりの関係性、グッとくるな、ほんと。
http://star-studio.jp/kazmasayuki/index.php?ID=400&sid=2fojj1alt8ai8rmlrnn23806i7